デジタル化が加速する現代において、企業の競争力を維持・向上させるためには、デジタルトランスフォーメーション(DX)への取り組みが不可欠です。DXとは、単にITツールを導入することではなく、ITを活用してビジネスモデルや業務プロセスを根本的に変革し、新たな価値を創造することです。
しかし、中小企業や小規模事業者にとって、DX推進には様々な課題が伴います。
- ITツール導入に必要な資金の不足
- ITに関する専門知識や人材の不足
- セキュリティ対策への不安
- 導入効果の見積もりの難しさ
これらの課題を解決し、中小企業・小規模事業者のDXを支援するために、国が推進しているのが「IT導入補助金」です。
IT導入補助金は、中小企業・小規模事業者がITツールを導入する際の費用の一部を補助する制度です。これにより、企業は資金的な負担を軽減しながら、業務効率化、生産性向上、顧客満足度向上など、様々な効果を期待できます。
2025年度もIT導入補助金は継続され、より多くの企業がDXを推進できるよう、制度内容が拡充されました。本記事では、IT導入補助金2025の概要、申請の流れなどを詳しく解説し、eラーニングの導入において活用できるのか?という点でもお話したいと思います。
※この記事は2025年3月7日時点での情報を基に作成しています。最新の情報は公式のページをご確認ください。
https://it-shien.smrj.go.jp/
IT導入補助金の概要
IT導入補助金2025では、下記の5種類の枠が存在します。
eラーニングの導入においては、通常枠での申請が可能です。
- 通常枠
ITツールを導入して、業務効率化やDXを推進 - 複数社連携IT導入枠
商店街など、複数の中小・小規模事業者で連携してITツール等を導入 - インボイス枠(インボイス対応類型)
ITツール等を導入して、インボイス制度に対応 - インボイス枠(電子取引類型)
発注者主導でITツールを受注者に共有し、取引先のインボイス対応を促す - セキュリティ対策推進枠
サイバーセキュリティ対策を進める
参照元:中小企業庁
eラーニングの導入で活用できるのは【通常枠】
先述した通り、IT導入補助金は5種類の枠がありますが、eラーニングの導入で活用できるのはそのうち【通常枠】となります。
補助上限についてはITツールが対応可能な業務プロセス数によって異なり、eラーニングシステムは多くて2~3プロセスのため、最大で150万円が補助されます。
補助対象は
- ソフトウェア
- ソフトウェア購入費
- クラウド利用料(最大2年分)
- オプション
- 機能拡張
- データ連携ツール
- セキュリティ
- 役務
- 導入コンサルティング、活用コンサルティング
- 導入設定・マニュアル設定・導入研修
- 保守サポート
となっています。
IT導入補助金2025の変更点
2025年度のIT導入補助金では、前年度と比べて以下の点が変更されました。
- 補助率の変更:前年度までは一律で1/2でしたが、2025年度からは事業者の規模やIT導入の目的によって、補助率が異なる2種類に区分されました。
- 例えば通常枠での補助率は、中小企業では1/2、最低賃⾦近傍の事業者では2/3となっています。
- 対象ツールの拡大:サイバーセキュリティ対策ソフト、テレワーク導入支援ツール、顧客管理システム、ECサイト構築ツールなど、対象となるITツールが拡充されました。
- 近年、サイバー攻撃による被害が増加していることを受け、セキュリティ対策ソフトの導入を促進するために、補助対象に含まれました。
- また、新型コロナウイルス感染症の影響により、テレワークを導入する企業が増加していることから、テレワーク導入支援ツールも補助対象となりました。
- 申請手続きの簡素化:オンライン申請システムが改良され、よりスムーズに申請できるようになりました。
- 必要な情報の入力が簡略化されたほか、申請状況の確認や書類のアップロードなどが、より簡単に行えるようになりました。
これらの変更点は、より多くの事業者がIT導入補助金を利用しやすくなるよう配慮されたものです。
IT導入補助金2025の申請の流れとスケジュール
大まかなIT導入補助金の申請の流れは下記です。
- ITツールの選定:IT導入支援事業者と相談し、導入するITツールを決定します。
- 申請書類の作成:IT導入支援事業者と協力し、申請に必要な書類を作成します。
- オンライン申請:IT導入補助金申請サイトから、オンラインで申請を行います。
- 審査:事務局による審査が行われます。
- 交付決定:審査に通ると、交付決定通知書が送付されます。
- 事業実施:交付決定後、ITツールを導入します。
- 実績報告:事業完了後、実績報告書を提出します。
IT導入補助金【通常枠】のスケジュール
eラーニングの導入では通常枠での申請となります。現時点(2025年3月7日)で決まっているスケジュールは以下になります。
1次締切分 | |
---|---|
交付申請期間 | 2025年3月31日(月)受付開始~(予定) |
締切日 | 2025年5月12日(月)(予定) |
交付決定日 | 2025年6月18日(水)(予定) |
事業実施期間 | 交付決定~2025年12月26日(金)17:00(予定) |
事業実績報告期限 | 2025年12月26日(金)(予定) |
2024年度では全7回まで実施されましたので、2025年度も複数回実施されるでしょう。
第1次締め切りまで間に合わせるのが難しくても、別のタイミングで申請すれば良いので、補助金の活用を検討している場合は準備を進めておくのをおすすめします。
IT導入補助金はeラーニングシステムの導入で活用できる?
eラーニングシステムや学習管理システム(LMS)の導入でIT導入補助金を活用することは可能です。
- 従業員のスキルアップ・教育
- 社内研修の効率化
- 顧客向け教育の実施
eラーニングシステム「オウルキャスト」は社内研修やBtoBの企業向け研修での利用に適した製品です。
IT導入補助金2025のベンダー登録が始まり次第(2025年3月31日~)、登録作業を進めてまいりますので、完了次第改めてお知らせいたします。
社員研修でのeラーニング活用をお考えの方はこちら
https://owlcast.jp/lp/training/
BtoBの企業向け研修でのeラーニング活用をお考えの方はこちら
https://owlcast.jp/lp/btob-training/