- 導入前の状況
- 6日間の泊まり込みでしっかりと技術を教える、対面型の講座を開催していた
- 時間的・経済的な負担が大きく、受講できる方が限られてしまっていた
- 動画やeラーニングを活用した講座を始めることにした
- 採用の決め手
- オウルキャストの販売元であるストランダーには、大手学習塾のオンライン講座での導入実績があり期待できた
- 独自ドメインの使用やユーザーインターフェース(UI)のカスタマイズ性がある
- 自社ブランドでのサービス展開ができ、競合と差別化を図れると考えた
- 導入後の成果
- 対面型の講座に比べて、時間や場所、距離的なハードルが下がり、新たな層の獲得につながった
- サブスク形式のコースを複数販売できるので、受講者のニーズごとに最適なコンテンツ販売ができた
YDF株式会社様のご紹介
YDF株式会社様は、モルタル造形とエイジング塗装の材料製造・販売、および関連事業を展開されています。
モルタル造形:モルタルという材料を使い、まるで本物のような質感や形状を作り出す技術です。
エイジング塗装:新しいものを意図的に古く見せる塗装技術です。長年使い込まれたような質感や経年変化を、塗料や様々な道具を使って表現します。
これらの技術は、住宅のエクステリアや内装、店舗デザイン、テーマパークの装飾など、幅広い分野で活用されています。
YDF株式会社様はモルタル造形やエイジング塗装の工事だけでなく、道具や材料の開発・販売事業、オンライン講座「テニテク」など、多角的な事業を展開。日本の特殊施工におけるパイオニアとして知られています。
研修事業の課題解決:eラーニング導入の背景
オンライン講座「テニテク」を始められたきっかけを教えていただけますか?
山本様:
以前は、滋賀県の本社に実際に集まっていただいて、6日間泊まり込みで技術をみっちり教える、対面型の講座を行っていました。
受講生は全国各地の職人さんで、北海道から沖縄まで、本当に遠方からも来ていただいていました。
ただ、職人さんは普段お仕事がありますから、仕事を休んで6日間も研修を受ける、ということは時間的・経済的な負担が大きく、受講できる方が限られてしまっていました。
また、教える側としても一度に教えることができる人数には限りがありました。
私たちは「これまで培ってきた塗装技術を広めて、職人さんがもっと稼げるようになってほしい。業界全体をもっと盛り上げたい。」という強い想いを持っていました。
そこで、これらの課題を解決するために、動画を使った「学習サービス」を検討することにしました。
講座に動画を使ったeラーニングを活用したことで、課題はどのように解決されましたか?
山本様: 動画を使ったeラーニングを活用したことによって、職人さんは仕事が終わった後の夜などに、落ち着いて学習できるようになりました。
全国どこからでも受講できますから、時間や場所、お金の面でのハードルが下がり、学びやすくなったと思います。
また、受講ハードルが下がったことで、職人さんだけでなくDIY初心者の方や主婦の方など、新たな受講者層が広がりました。
私たちとしても、教えられる人数の制限がなくなりました。

YDF株式会社 代表取締役 山本貴諭様
オンライン講座を始めるまでの課題:講師と撮影機材の選定
オンライン講座「テニテク」を始めるにあたって、大変だったことはありますか?
山本様:一番は「演者問題」でしたね。
当初は、予備校の名物先生のようなイメージで、いろんな職人さんたちに講師として出演していただき、それを講座として提供する予定でした。
ただ、職人さんは講師として解説することに慣れていない方が多く、撮影や編集に苦労しました。
そこで、私が自分で講師を務める事にしましたが、他の事業もある中で動画を制作する時間を作るのが大変でした。
結果的には、自分で講師をしたことで外注がなくなりましたので、コストダウンにつながったと思います。
現在は技術を教える系の動画は週に1回くらいのペースで更新して、ビジネス系の動画はまとめて撮影をしておき、ストックから公開することで対応をしています。
「技術を教える」動画の場合、撮影や編集で特に気をつけたことはありますか?
山本様: オンライン講座を始めたことで、職人さん以外の方にも受講していただけるようになりましたが、その分、動画講座の中では専門用語をできるだけ避けて、わかりやすい言葉に置き換えるなど、解説の仕方も一層工夫するようになりました。 動画という媒体で、人にものを教えるうえで、言葉選びはとても重要だと感じています。
動画講座は、対面型の講座と異なり、講師から受講者さんに対して、細かなコミュニケーションを取ることが一切できません。
例えば、対面で人に教えるときは、講師の人が喋った内容で意味が分からない用語が出てきた場合、受講者さんはその場で講師に確認をとることができますが、動画ではそれができません。
講師が話していることに分からないところがあるままだと、その後の内容の理解も難しくなってしまいます。この点は、自分が動画講座をやってみて、実感した難しさになります。
さらに「技術を教える」ということは、実際に作っているところを見せながら解説するのが基本になります。
特に塗装技術は、実際の色味や質感をしっかり伝えなければいけません。
対面式の講座なら実物を自分の目で確認できますが、動画でもそれをきちんと伝えられるように、撮影機材の選定には本当にこだわりました。
色味や質感の再現性が高い機材に出会うまで、いろいろ試しましたね。
「技術を教える」動画では、何を一番重要視したいかを考えて、それを伝えられる機材を選ぶのがポイントだと思います。
オウルキャスト導入の決め手:顧客体験とブランド力を高められるプラットフォーム
オンライン講座の提供方法についても検討されたと思いますが、今回、「テニテク」のプラットフォームとしてオウルキャストを選んだ決め手は何だったのでしょうか?
山本様: 様々なプラットフォームを調べていたのですが、ソーシャルキャスト(※)のサイトを見た時に、大手の家庭教師さんが運営する、小中学生向けのオンライン学習塾の事例が目に留まりました。
私は子ども向けのオンライン学習サービスというのは、使いやすさが非常に重要なジャンルだと思っています。
なぜなら、子どもたちはわかりにくいシステムだと、すぐに使わなくなってしまうと思うからです。
そしてそれは、結果的に、勉強しなくなってしまうことにつながると思っています。
そういった子どもたちをターゲットにしている教育系の企業さんが導入しているシステムということは、きっと、受講画面がわかりやすかったり、使いやすい製品なんじゃないかと思いました。
また、「テニテク」では、自分たちのブランド、オリジナリティを大事にして、サービスを展開したいという想いがありました。
価格で言えばソーシャルキャストよりも安いシステムはありましたが、そういったシステムは共用のドメインしか使えなかったり、機能に制限があることが多かったです。
また、ユーザーインターフェース(UI)のカスタマイズ性がないシステムもありました。
オンライン講座「テニテク」では、受講者の方の多くがスマホで動画を見ながら実際に作業をする、というスタイルで受講しているので、ソーシャルキャストでスマートフォンでも見やすいUI設計にカスタマイズできるのも大きなポイントでした。
ソーシャルキャストを導入することで、ブランドの独自性や、競合との差別化が図れたと思っています。
(※)オウルキャストの兄弟製品であるソーシャルキャスト。
380以上の導入実績を持つ動画販売サイト構築システムです。
YDF株式会社様には当初、ソーシャルキャストをご利用いただいていました。
https://socialcast.jp/
学習効果を最大化する:講座設計と運用改善の工夫
オンライン講座の売り方では、どのような工夫をされましたか?
山本様:
もともと交流のあった受講生や塗装業の経営者の方にヒアリングし、ニーズに合わせた2つのプランを用意しました。
1つは技術習得に特化したプラン、もう1つはビジネス展開のノウハウも講座に含めたプランです。
これにより、スキルアップに集中したい方と、ゆくゆくは独立して仕事を大きくしていきたいという方、それぞれに合った学習をしていただけるようにしました。
これらはソーシャルキャストに「サブスク形式のコースを複数作れる」という機能があったので実現できました。
私たちのサービスの改善という点では、受講者からのフィードバックを積極的に取り入れたり、自身でも受講者の視点を持ってサービスの使いやすさを厳しくチェックし、動画やUIの改善を繰り返しています。
オンライン講座を実施してみてどうでしたか?
山本様:動画を撮影して、その講座を販売・配信するようになって強く感じたのは「技術を教えるという動画」は、時間が経過してもその価値が下がらないということです。
初めて視聴する方にとっては新鮮な情報なので、動画を追加していけばいくほど、より大きなプラットフォームに育てることができます。
そういう意味でも、ノウハウを持っている中小企業にとって、動画学習事業はとても良いものであると思っています。
また、検討を始めた頃は、講師を誰がやるのか?という課題はありましたが、自分が講師として話すようになってから、編集時に自分の講師としての出来栄えを振り返るようになりました。
講師をするようになったことで、話術や表現力が向上している実感があります。ビジネスの武器になるような話し方を鍛えられたので、他の事業にも良い影響が出ています。
今後の展望について
最後に、貴社やオンライン講座「テニテク」の今後の展望をお聞かせください。
山本様:
特殊施工業界におけるオンライン講座の先駆者として、「テニテク」事業を成功させたいです。
プロの方からDIY初心者の方まで、日常的に利用するサービスとして「テニテクする」というような言葉が広く認知される存在になることが目標です。
社員全員で協力して、急速な成長と成功をみんなで分かち合いたいですね。

YDF株式会社 代表取締役 山本貴諭様